既存の電子カルテと併用する
電子カルテを変えずに音声入力を追加する方法
電子カルテを入れ替えずに音声入力を追加する方法を、方式ごとの違いと導入前に確認する項目に分けて整理しました。オンプレミス型で増える制約や、生成された記録をカルテへ移す手順の確認点も扱います。
電子カルテそのものを入れ替えずに、音声入力だけを追加できないか。診療記録にかかる時間を減らしたいものの、カルテの移行までは踏み切れないという状況で出てくる問いです。
結論から書くと、方式によって「電子カルテ側に何を求めるか」が変わります。ここが分かれ目です。カルテを触らずに済む方式もあれば、ベンダーの対応が前提になる方式もあります。
音声を記録に変える方式は3つに分かれる
ひとくちに音声入力と言っても、仕組みは異なります。
話した言葉をそのまま入力する
医師が「主訴、頭痛。三日前から」と口述し、それを文字に変換してカルテへ入れる方式です。ディクテーションと呼ばれます。キーボード入力の置き換えにあたり、話す内容は最終的な記録とほぼ同じものになります。
診察の会話から記録の下書きを作る
医師と患者の会話をそのまま録音し、そこから記録の下書きを組み立てる方式です。口述するのではなく、通常どおり診察するだけで下書きができます。会話には記録に残さない雑談も混ざるため、必要な情報を選び出す処理が入ります。
電子カルテに内蔵された機能を使う
電子カルテそのものが音声入力や記録生成の機能を持つ場合です。カルテと一体なので操作は完結しますが、利用できるかどうかは使っている製品に依存します。
方式ごとに電子カルテへの要求が違う
ここが導入可否を分けます。
内蔵型は、電子カルテのベンダーが機能を提供していることが前提です。提供されていなければ、カルテの入れ替えを検討することになります。
ディクテーション型は、カルテの入力欄にカーソルを置いて音声で入力する形が多く、その端末で動作することが条件になります。
会話から下書きを作る型は、生成された記録を電子カルテへ移す手順さえ確保できれば、カルテ側の対応を必要としない場合があります。コエカルはこの方式で、生成された記録をコピーして電子カルテへ貼り付けていただく形です。
ここで注意していただきたいのは、「連携」という言葉の使われ方です。カルテへ自動で書き込む仕組みを指す場合もあれば、コピーと貼り付けを指す場合もあります。どちらを指しているかは、必ず確認してください。
導入前に確認する5つの項目
端末とマイクをどうするか
診察室のどの端末で動かすか、マイクは何を使うかを決めます。既存のカルテ端末とは別の端末を使う構成も選べます。マイクの選び方は診察室の環境によって変わるため、実際の部屋で試すのが確実です。
生成された記録をカルテへどう移すか
記録が出来上がったあと、それを電子カルテに入れるまでの手順です。コピーして貼り付ける形であれば追加の設定は要りませんが、その操作が一日に何回発生するかは事前に把握しておくとよいと思います。
オンプレミス型で増える制約
院内に閉じたネットワークで電子カルテを運用している場合、外部のサービスへ通信できるかどうかが前提条件になります。カルテ端末とは別の端末を用意する、通信を許可する範囲を決めるといった調整が必要になることがあります。この確認は早い段階で行ってください。導入を検討したあとで通信要件が理由で見送りになると、時間が無駄になります。
診療データがどこに保存され、誰が見られるか
保存先の所在地、保存期間、閲覧できる権限の範囲、削除の手順を確認します。稟議の場で必ず問われる項目でもあるので、資料の形で受け取っておくと進めやすくなります。
誰が最終確認をするか
自動で作られた記録をそのまま保存する運用にはできません。内容を確認し、最終的な責任を負うのは医師です。 誰がいつ確認するかを運用の中に組み込んでおく必要があります。
「連携」と「転記」を分けて考える
比較検討の場面で、この2つが同じ言葉で語られることがあります。
転記は、生成された記録を人がカルテへ移す操作です。カルテ側の対応は要りませんが、操作は発生します。
連携は、システム同士が直接やり取りして書き込む仕組みです。操作は減りますが、カルテベンダーの対応が前提になります。
コエカルが提供しているのは前者です。カルテを変えずに始められる代わりに、記録を移す操作は残ります。この違いを曖昧にしたまま導入すると、運用を始めてから想定と違うことになります。
次に確認すること
音声入力の追加を検討される場合、最初に確認していただきたいのは通信要件と記録をカルテへ移す手順の2つです。この2つが通れば、多くの場合は電子カルテを変えずに進められます。
料金の考え方とセキュリティについても併せてご覧いただけます。導入前によくいただく質問はFAQにまとめています。