費用と選定
医師事務作業補助者と音声カルテはどう違うか
記録業務の負担を減らす手段として、人を配置する場合と音声から記録を作る仕組みを使う場合の違いを整理しました。併用する場合の役割分担と、決めておくべきことも扱います。
記録業務の負担を減らす手段は、大きく2つに分かれます。人を配置するか、記録を作る仕組みを使うかです。
すでに医師事務作業補助者を配置している施設からは、置き換えになるのか併用になるのかという質問をよくいただきます。このページではその違いを整理します。
前提
ここで扱うのは電子カルテそのものではなく、会話から記録の下書きを作り、医師が確認してお使いの電子カルテへ移す仕組みです。カルテの入れ替えではありません。
担う範囲が違う
人が担う場合、記録の作成だけでなく、その周辺の業務も任せられます。書類の作成、予約の調整、患者からの問い合わせへの対応など、その場の状況に応じた判断が必要な業務を含められます。
仕組みが担うのは、会話から記録の下書きを作るところまでです。周辺の業務は範囲外です。
つまり、記録以外の負担も減らしたい場合、仕組みだけでは代わりになりません。
対応できる幅が違う
人は、例外的な状況に対応できます。普段と違う診察の進み方をしても、何を記録すべきかを判断できます。専門用語や施設内でのみ通じる表現も、経験を積めば扱えます。
仕組みは、想定された使い方の範囲で動きます。診察室に複数の人がいる、方言が多い、周囲の音が大きいといった条件では結果が変わります。
かかるものが違う
人を配置する場合、採用と教育に時間がかかります。記録の書き方を覚えるまでの期間があり、担当者が変われば再度必要になります。
仕組みは、導入してから使い始めるまでの期間が短い傾向にあります。一方で、記録の確認は医師が行う必要があるため、確認の工数は残ります。
併用する場合に決めておくこと
両方を使う場合、役割を先に決めないと確認作業が二重になります。
誰が下書きを確認するか。 補助者が確認してから医師が見るのか、医師が直接見るのか。二段階にすると確実になりますが、工程は増えます。
どの診察で使うか。 すべての診察で使うのか、補助者が入れない診察だけで使うのか。
補助者の役割をどう変えるか。 記録の作成から確認に軸足を移すのか、記録以外の業務に時間を振り向けるのか。ここを決めないまま導入すると、補助者の業務が増えただけという結果になります。
判断の材料
次の点を整理すると、どちらが自院に合うかが見えます。
- 減らしたい負担が記録だけか、記録以外も含むか
- 例外的な診察がどれくらいの頻度で発生するか
- 記録の確認を誰が行える体制か
- 人を採用して教育する期間を待てるか
すでに補助者が配置されていて記録が回っている場合、仕組みを足しても効果を感じにくい傾向があります。この点は向く診療所・向かない診療所でも触れています。
次に読むもの
記録の負担がどの工程で発生しているかはこちらで分解しています。費用の見積もり方は音声カルテの費用をどう見積もるかをご覧ください。