費用と選定
診療科によって向き不向きはどう変わるか
音声から診療記録を作る仕組みの効きやすさが、診療科によってどう変わるかを、会話の比重・扱う語彙・記録の型という3つの軸で整理しました。
音声から記録を作る仕組みが効きやすいかどうかは、診療科によって変わります。ただし「この科は向く」という一覧で判断できるものではありません。同じ科でも診察の進め方が違えば結果が変わるためです。
このページでは、科の名前ではなく診察の性質で整理します。自科がどこに当てはまるかで判断してください。
前提
ここで扱うのは電子カルテそのものではなく、会話から記録の下書きを作り、医師が確認したうえで既存の電子カルテへ移す仕組みです。
軸1: 記録の材料が会話にあるか
会話の比重が大きい診察では、記録に必要な情報の多くが会話に現れます。症状の経過、生活の状況、困っていることを患者が話す診察です。この場合、下書きの材料が揃いやすくなります。
検査所見の比重が大きい診察では、記録の中心が会話の外にあります。画像や検査値は、読み上げていなければ会話には出ません。この場合、下書きが担えるのは記録の一部にとどまります。
自科の記録を見て、会話から書ける部分がどれくらいあるかを確かめてください。
軸2: 扱う語彙が一般的か
一般的な医学用語が中心であれば、文字起こしの結果は安定しやすくなります。
一方、次のような語彙が多い診察では、確認の負担が増えることがあります。
- 漢方や生薬の名称
- 特定の領域でのみ使う薬剤名や術式名
- 施設内でのみ通じる略語
該当する語彙が多いかどうかは、自科で試して確かめるのが確実です。一般的な精度の数値では判断できません。
軸3: 記録の型が決まっているか
記録の書き方が定型的な診察では、下書きの形が安定します。毎回同じ項目を同じ順で書く診察がこれにあたります。
書く内容が診察ごとに大きく変わる場合、下書きの形もばらつきます。この場合、確認の工程で手を入れる範囲が広くなります。
診察室の状況も効く
診療科の性質とは別に、診察室の物理的な状況が結果を左右します。
- 医師と患者以外に人がいるか(看護師、付き添いのご家族)
- 複数人が同時に話す場面があるか
- 周囲の音が大きいか
小児科のように付き添いの方の発言が多い診察、あるいは処置と並行して会話が進む診察では、事前の確認が特に重要になります。
判断の手順
科の名前で決めず、次の順で確かめてください。
- 直近の記録をいくつか見て、会話から書ける部分の割合を見積もる
- その中に、扱いにくい語彙がどれくらい含まれるかを確認する
- 実際の診察室で、普段どおりの診察を複数件試す
- 手直しにかかった時間を、これまで記録に使っていた時間と比べる
3と4の具体的な進め方は自院で確かめる手順にまとめています。
合わない場合もあります
会話の比重が小さく、扱う語彙が特殊で、記録の型が定まっていない診察では、導入しても効果を感じにくくなります。その場合は無理に入れないほうがよいと考えています。
合わない条件は向く診療所・向かない診療所にも整理しています。
次に読むもの
SOAP の項目ごとにどこまで書けるかはSOAPのどこまでを自動で書けるか、記録の負担がどこで発生しているかはこちらをご覧ください。