運用とデータの扱い

診療データはどこに保存され、誰が見られるのか

音声から診療記録を作るサービスを導入する際に、データの保存先、保存期間、閲覧できる範囲、削除の手順として何を確認すべきかを整理しました。稟議の準備に使える形にしています。

音声から診療記録を作るサービスを導入する際、稟議で必ず問われるのがデータの扱いです。診察の音声と、そこから作られた記録という、機微性の高いものを外部のサービスに預けることになります。

このページでは、どの製品を検討する場合でも確認すべき項目を整理します。特定の製品の仕様は扱いません。確認の観点を示します。

前提として何が預けられるか

ここで扱うのは電子カルテそのものではなく、会話から記録の下書きを作り、既存の電子カルテへ移して使う仕組みです。したがって、預けられるのは主に次の2つです。

  • 診察の音声
  • そこから作られた記録の下書き

確定した診療録そのものは電子カルテ側に残ります。 ここは混同されやすいので、稟議の資料でも分けて書くと説明が通りやすくなります。

確認する項目

保存先はどこか

サーバーが国内にあるか国外にあるかを確認します。国内であっても、事業者が使っているクラウドの所在地まで確認してください。

保存期間はどれくらいか

音声と記録の下書きが、それぞれどれくらい保存されるかを確認します。音声は文字になった時点で消えると思い込まないでください。 保存期間は製品によって異なり、一定期間残す設計のものもあります。

誰が見られるか

閲覧できる範囲を、次の観点で確認します。

  • 自院の中で、誰がどの記録を見られるか
  • 事業者側の担当者が見られるか、見られる場合はどういう条件か
  • 権限を後から変えられるか

操作の記録が残るか

誰がいつ何を見たかの記録が残るかを確認します。何かあったときに追跡できるかどうかは、稟議の場で問われやすい項目です。

AI の学習に使われるか

預けたデータが、サービスの改善や学習に使われるかを確認します。使われる場合、それを断れるかどうかも併せて確認してください。ここは契約書の記載を見るのが確実です。

削除を求められるか

解約時、あるいは運用中に、データの削除を求められるかを確認します。求めた場合にどの範囲がいつまでに消えるかまで確認しておくと、稟議で説明しやすくなります。

外部に再委託されるか

事業者が処理の一部を別の事業者に委託している場合があります。委託先の有無と、その場合の責任の所在を確認します。

ガイドラインへの対応

医療情報を扱うシステムには、国が示すガイドラインがあります。事業者がこれにどう対応しているかは確認項目のひとつです。

ただし、「準拠しています」という表現だけでは判断材料になりません。 どの項目にどう対応しているのかを、資料の形で受け取ってください。対応中の項目がある場合は、その範囲と時期も含めて確認します。

患者への説明

診察を録音することについて、患者へどう伝えるかは別に決める必要があります。院内掲示で周知する、診察時に口頭で伝えるなど、方法は施設によって異なります。

法令の解釈に関わる部分は個別の確認が必要になるため、ここでは扱いません。

稟議に持っていく形

上記を「確認しました」で終えず、資料として受け取っておくと稟議が早く進みます。口頭での回答は、稟議の場で再度問われたときに答えられません。

コエカルのデータの取り扱いについてはセキュリティのページに記載しています。個別の条件はお問い合わせください。

次に読むもの

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